米沢チーム「新規脱メチル化酵素によるp53」

 クロマチンの主成分であるヒストンタンパク質はリン酸化、アセチル化、メチル化、ユビキチン化等様々な翻訳後修飾を受けます。中でもヒストンのリジン残基のメチル化は遺伝子発現状態の維持を初めとする多くの現象に関わっています。近年jumonji-C(jmjC)というドメインを持つヒストンリジン脱メチル化酵素が多く同定されましたが、約30存在するjmjC ファミリータンパク質のうちその酵素活性が同定されているものは半分程度であり、また、ヒストン以外のタンパク質の脱メチル化による制御機構はほとんど解っていません。
 私たちは、jmjCタンパク質の機能を解析するため、これらを網羅的にGFP融合タンパク質として培養細胞で発現させ、細胞内局在を解析しました。その結果、あるjmjCタンパク質がPML ボディという核内ドメインに局在していることを見出し、これをJDPML(Jumonji-C domein-containing Demethylase in PML body)と名づけました。
PML ボディは癌抑制因子として知られるp53などの多くのタンパク質の翻訳後修飾の場となることが知られています。私たちはJDPMLの基質を探索したところ、JDPMLがp53を脱メチル化し、その機能を調節していることを発見しました。このことから、JDPMLは細胞の癌化・老化を制御していることが示唆されます。
 現在は、JDPMLの細胞内での機能を詳細に解析すると共に、ノックアウトマウスを用いてJDPMLの個体レベルでの癌化・老化における役割を理解し、更に臨床応用することも視野に入れ研究を進めています。

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